ベストシステムズ メールマガジン
公開日:2010/03/15

【第133号】金融業界で使われるMyrinet DBL (Datagram Bypass Layer) 機能

このメルマガの多くの読者の方は、Myrinetがノード間通信用の高速インターコネクトだということはご存じだと思います。最近はInifiniBandに押されてあまり見受けられなくなりましたが、Myricom社は今でも元気よく活躍しています。それは、HPCで培ったMyrinetの技術を使い、今では10Gigabit Ethernetとして金融業界で活躍しているからです。この技術がDBL(Datagram Bypass Layer)です。DBLは、UDPのレイテンシを短縮化する機能です。HPCでMyricom社が独自のプロトコルを使って通信を高速化したのと違い、DBLは通常のUDPプロトコルをそのまま使い、カーネルをバイパスさせることで、レイテンシの高速化を図っているのです。これが何故、金融業界で最近脚光を浴びているのでしょうか? それはオンラインによる証券取引です。証券取引にはUDPが使われています。証券会社は、他の証券会社より少しでも早く取引を成立させたいのです。ほんの数ミリ秒通信が遅れただけで、利益を失う可能性が高くなります。そのために、少しでも速い通信が必要とされています。ネットワークカードだけでなく、配線までイーサネットケーブルの長さをなるべく短くするように設置するそうです。日本の証券取引では、昨年までは事情が違いました。東京証券取引所もオンライン化はされていたのですが、取引の決済に数百ミリ秒かかっていたため、あまり高速化する意味がありませんでした。ですが今年、システムのリプレイスが行われ、欧米と同じように高速決済ができるようになりました。すると日本でも、Myrinetの引き合いがようやく増え始めました。HPCの技術ってこうやって民需にも普及していくことは大変喜ばしいです。

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